腸が弱っている時の食べ方


「腸に良いものを食べているのに、お腹が張る」
「野菜や発酵食品を増やしたら、かえって調子が悪くなった」

そんな時は、さらに体に良いものを足すよりも、一度胃腸に負担の少ない食べ方に戻してみることも大切です。


腸内環境シリーズではこれまで、食物繊維や発酵食品、小麦・乳製品、SIBO、FODMAP、リーキーガット、全身の炎症などについてお伝えしてきました。


最終回となる今回は、腸が弱っている時に実際に何を食べればよいのかを具体的にご紹介します。


腸が弱っている時は「良いものをたくさん」ではなく「消化しやすさ」を考える

健康のためには野菜や食物繊維、発酵食品なども大切です。

しかし、お腹が張る、ガスが多い、下痢や便秘を繰り返す、食後に胃腸が重くなるといった時には、普段は体に良い食べ物でも負担になることがあります。


特に胃腸の調子が落ちている時は

・生野菜をたくさん食べる
・食物繊維を増やす
・納豆やキムチなどの発酵食品をたくさん食べる
・玉ねぎ、にんにく、ごぼうなどをたくさん食べる

といった食べ方が、かえってお腹の張りを強くすることもあります。

このような時は一度シンプルな食事に戻してみましょう。


まずはこのような食事から

胃腸が弱っている時は
ご飯+タンパク質+加熱した野菜

くらいのシンプルな組み合わせから始めると分かりやすいです。


例えばタンパク質なら

・卵
・木綿豆腐
・魚
・鶏のひき肉
・豚のひき肉
などがあります。


脂身の多い肉や揚げ物よりも、焼く、蒸す、煮るなどの調理法がおすすめです。



野菜も生のまま食べるのではなく

・にんじん
・大根
・ほうれん草
・じゃがいも
・ズッキーニ

などを煮たり蒸したりして、柔らかくして食べてみましょう。


一度に何種類も入れなくても構いません。

食材の種類を少なくしておくと、何を食べた時に調子が良いのか悪いのかも分かりやすくなります。



朝・昼・夜の具体例

例えば次のような食べ方です。


朝

ご飯
卵料理
具材を少なくした味噌汁

朝から食欲がない場合は、無理にたくさん食べる必要はありません。

ご飯を少量にしたり、卵や豆腐など食べやすいものから始めてもよいでしょう。


昼

ご飯
焼き魚または鶏肉
加熱した野菜

外食の場合も、揚げ物やクリーム系の料理より、焼き魚定食やシンプルな和食などを選ぶと胃腸への負担を減らしやすくなります。


夜

ご飯
魚や肉、豆腐など
煮物や温野菜

夜は食べる量が多くなりやすいので、胃腸の調子が悪い時ほど腹いっぱいまで食べないことも大切です。

遅い時間に食べる場合は、特に脂っこいものや量の多い食事を控えてみましょう。



調子が悪い時と回復してきた時では食べ方を変える

ずっと同じ食事を続ける必要はありません。
胃腸の状態に合わせて食べ方を変えていきます。



お腹の張りや胃腸の不快感が強い時

食材の種類を少なくして、加熱したものを中心にします。
食物繊維や発酵食品も「体に良いから」と無理に増やさない方が良いでしょう。


少し調子が戻ってきたら

野菜の種類を少し増やしたり、普段食べていた食品を少量ずつ戻していきます。

例えば
今日は野菜を一種類増やしてみる。
数日問題なければ別の食品も戻してみる。

このように一気に元の食事へ戻さないことがポイントです。


一つずつ戻していけば、自分には何が合っていて、何を食べ過ぎると調子が悪くなるのかも見つけやすくなります。

どのくらい続ければいい?

一時的に胃腸が疲れている程度であれば、まず数日間食事をシンプルにして、体の変化を見てみましょう。


お腹の張りやガスが強い方では、FODMAPの多い食品を一時的に減らしてみる方法もあります。

FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質の総称です。

例えば
・玉ねぎ、にんにく
・小麦を使ったパンやパスタ
・りんご、梨
・牛乳
・豆類

などに多く含まれています。


こうした食品は、腸の状態によっては、お腹の張りやガスなどの症状が出やすくなることがあります。

そのため症状が強い時は、一時的に量を減らして様子を見る方法があります。


一般的には、まず2〜6週間程度試した後、症状を見ながら減らしていた食品を少しずつ戻していきます。


「調子が良かったから、この食品はもう食べない」と決めるのではなく、どの食品なら食べられるのか、どのくらいの量なら大丈夫なのかを探していくことが大切です。


必要以上に食べられるものを減らしてしまうと、食事の幅が狭くなり、栄養の偏りにもつながります。


「何を食べるか」だけでなく「どのくらい食べるか」も大切

同じ食品でも
少量なら大丈夫だけれど、たくさん食べると張る。

毎日だと調子が悪いけれど、時々なら問題ない。

ということは珍しくありません。


そのため
「これは良い食品」
「これは悪い食品」
と決めつける必要はありません。

自分のお腹の状態を見ながら、食べる量や頻度を調整するという考え方も大切です。


まとめ

腸内環境を整えるというと、何か特別な食品を食べたり、発酵食品や食物繊維をたくさん摂ったりすることを想像するかもしれません。


しかし、お腹が張る、胃腸が重い、食べると調子が悪くなるといった時には、一度食事をシンプルにすることも選択肢の一つです。


ご飯、魚、肉、卵、豆腐、加熱した野菜などを中心にして、まず胃腸への負担を減らす。

調子が戻ってきたら、食べられるものを一つずつ増やしていく。


そして
「体に良いと言われているか」ではなく「今の自分の体に合っているか」
を見ていくことが大切です。


腸内環境シリーズでは9回にわたり、腸と体の関係についてお伝えしてきました。

すべての不調の原因が腸にあるわけではありません。
ただ、食事やお腹の調子と体調が関係していることも多くあります。


体の調子がなかなか整わない時は、普段何を食べているかだけでなく、その食べ方が今の自分の胃腸に合っているかも一度振り返ってみてください。


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腸の状態や食生活の乱れは、お腹だけでなく体のさまざまな不調と重なっていることがあります。

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次に読みたい健康コラム

腸内環境シリーズは今回で最終回です。

これから秋にかけては、朝晩と日中の気温差が大きくなり、体がだるい、疲れが抜けない、頭痛や肩こりが気になるなど、体調の変化を感じる方も増えてきます。

次回は、「寒暖差で体がだるい?秋に起こりやすい不調と自律神経の関係」についてお伝えします。



腸内環境シリーズ


第1回
腸内環境が悪いとどうなる?腸と全身の健康の関係

第2回 
腸内環境を乱す原因とは?食事・ストレス・睡眠との関係

第3回 
腸のために“減らす”ことも大切?小麦・乳製品との付き合い方

第4回 
腸内環境を整える食べ物とは?食物繊維・発酵食品・オリゴ糖の摂り方

第5回 
腸に良いものを食べるとお腹が張る?SIBO(小腸内細菌異常増殖症)とは

第6回 
玉ねぎ・にんにくでお腹が張るのはなぜ?FODMAPと腸内環境

第7回 
腸のバリア機能が低下するとどうなる?リーキーガットと腸内環境

第8回 
腸内環境の乱れと全身の炎症

第9回 
腸が弱っている時の食べ方




執筆・監修

さわやか整体院 院長 加藤敏之

日々、慢性的な肩こり・腰痛・頭痛・自律神経の乱れなどでお悩みの方の施術にあたっています。

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