「食後に眠くなる」
「甘い物が無性に欲しくなる」
「お腹が空くとイライラしたり、集中できなくなったりする」
こうした症状がある方は、食事の内容だけでなく、「何を、どのような順番で食べるか」を少し意識してみるとよいかもしれません。
これまでの低血糖シリーズでは、血糖値が急激に上がったあとに下がる「血糖値の乱高下」が、疲労感や眠気、頭痛、肩こり、夜中に目が覚めるといったさまざまな不調に関係する可能性についてお話ししてきました。
今回は、血糖値をできるだけ安定させるために、普段の食事でできる工夫をご紹介します。
難しい食事制限をする必要はありません。
大切なのは、「糖質を食べないこと」ではなく、「血糖値が急激に上がりにくい食べ方をすること」です。
空腹時にいきなり糖質を食べない
血糖値が乱れやすい方に、まず意識していただきたいのが、
「空腹時にいきなり糖質を食べない」
ということです。
例えば、お腹がペコペコの状態で、
- 菓子パン
- 甘いお菓子
- ジュース
- 甘いカフェラテ
などを摂ると、血糖値が急激に上がりやすくなります。
すると、それを下げるためにインスリンが分泌され、その後に血糖値が大きく下がることで、眠気やだるさ、空腹感などにつながることがあります。
反応性低血糖では、砂糖の多い食品や精製された炭水化物を、特に空腹時に摂ることを避けることが勧められています。
「何を食べるか」と同じくらい、「空腹時に最初に何を口にするか」も大切です。
食事は「タンパク質ファースト」を意識する
食事の際は、ご飯やパン、麺類から食べ始めるのではなく、
肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を含むおかずを先に食べる
ことをおすすめします。
例えば、
ご飯 → おかず
ではなく、
おかず → 野菜や汁物 → ご飯
というイメージです。
タンパク質や脂質、食物繊維を含む食品と糖質を組み合わせることで、糖質だけを単独で摂るよりも、食後の血糖値が急激に変化しにくい食べ方になります。
また、タンパク質は筋肉や皮膚だけでなく、酵素やホルモンなど、体を正常に働かせるためにも欠かせない栄養素です。
血糖値対策だけでなく、健康な体をつくるためにも毎食意識して摂りたい栄養素です。
特に小食の方は、野菜から食べ始めると、それでお腹が膨れてしまい、肝心のタンパク質が十分量食べられないことがありますので、タンパク質ファーストをお勧めしています。
甘い物が欲しい時は「先にナッツ」
「血糖値が気になるなら、甘い物は一切食べてはいけないの?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、そんなことはありません。
大切なのは、食べ方を工夫することです。
特に避けたいのが、
空腹の状態で甘い物だけを食べること。
どうしても甘い物が食べたい時は、先にナッツなどを少量食べてからにしてみましょう。
ナッツには脂質やタンパク質、食物繊維などが含まれています。
例えば、
空腹 → チョコレート
ではなく、
空腹 → ナッツ → 少し時間を置いてチョコレート
という食べ方です。
また、甘い物を食べるなら、空腹時のおやつとして単独で食べるより、食事の後に少量楽しむという方法もあります。
「甘い物を禁止する」のではなく、血糖値が急激に変化しにくい食べ方に変えていくことが、無理なく続けるポイントです。
間食は「悪いもの」ではありません
「間食=太るからよくない」
というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、食事と食事の間隔が長くなりすぎて、強い空腹状態をつくってしまう方の場合は、間食を上手に利用するのも一つの方法です。
反応性低血糖への食事対策として、少量の食事や間食を数時間おきに摂る方法が提案されることもあります。
間食としておすすめなのは、
- 素焼きのナッツ
タンパク質や脂質、食物繊維、マグネシウムなどを含み、少量でも満足感を得やすい食品です。 - あたりめ
糖質が少なく、タンパク質と良質な脂質をしっかり摂ることができます。また、よく噛んで食べるため、少量でも満足感を得やすいのもメリットです。ただし、胃が弱い方は食べ過ぎには注意しましょう。 - 栗
栗には糖質が含まれていますが、食物繊維のほか、カリウムやビタミンCなども含まれています。甘味も感じられますので、お菓子や菓子パンの代わりとして少量を間食に取り入れるのもよいでしょう。ただし、ナッツとは違って糖質が比較的多いため、食べ過ぎないことがポイントです。 - ゆで卵・豆腐
タンパク質を補いやすく、糖質だけに偏らない間食として取り入れやすい食品です。
特に、
昼食が12時、夕食が20時
というように食事の間隔が長い方は、夕方に強い空腹状態になりやすくなります。
そこで16~17時頃に軽く間食を入れておくことで、夕食前の強い空腹を防ぎやすくなります。
その結果、
「お腹が空きすぎて夕食を一気に食べてしまう」
「帰宅途中に甘い物が欲しくなる」
といったことも防ぎやすくなります。
間食というと「お菓子を食べる時間」と考えがちですが、次の食事まで血糖値をできるだけ安定させるための小さな補食と考えると、選ぶ食品も変わってきます。
「糖質を抜けばいい」わけではありません
低血糖や血糖値スパイクの話をすると、
「それなら糖質を食べなければいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、糖質は体を動かすための大切なエネルギー源の一つです。
大切なのは極端に糖質を避けることではなく、
糖質だけに偏らないこと
そして、
急激に血糖値を上げる食べ方を繰り返さないこと
です。
ご飯を食べる時には、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質や、野菜、海藻、きのこ類なども一緒に摂る。
こうしたバランスのよい食事が、結果として血糖値の安定にもつながります。
まずは、この3つから始めてみましょう
低血糖対策というと難しく感じるかもしれませんが、最初から完璧にする必要はありません。
まずは、
① 空腹時にいきなり甘い物や糖質を食べない
② 食事ではタンパク質を含むおかずから食べる
③ 食事間隔が長い時は、ナッツなどの間食を上手に利用する
この3つを意識してみてください。
食べる物を大きく変えなくても、「食べる順番」と「食べるタイミング」を変えるだけなら、比較的取り入れやすいと思います。
整体院でも「食べ方」を大切に考えています
当院では、肩こりや腰痛、頭痛などの慢性的な不調を、筋肉や骨格だけの問題とは考えていません。
睡眠、栄養、血糖値、自律神経、体の使い方など、さまざまな要素が体調に影響します。
いくら体を整えても、
食事のたびに血糖値が大きく乱れ、体がその対応に追われている状態では、なかなか体調が安定しない方もいらっしゃいます。
もちろん、肩こりや頭痛などの原因がすべて低血糖というわけではありません。
それでも、
「食後に強く眠くなる」
「空腹になると調子が悪い」
「甘い物が無性に欲しくなる」
「食事を抜くと頭痛やイライラが出やすい」
「朝起きたら腰が痛い」
といった方は、一度ご自身の食べ方を振り返ってみる価値はあると思います。
体を外側から整えることに加えて、毎日の食事によって内側から体調を安定させていくことも、健康な体づくりの大切な土台です。
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