低血糖・実践編 第2回 朝食を食べたくても食べられない方へ

前回は、低血糖対策として朝食が大切な理由や、朝食にタンパク質を取り入れることなどについてお話ししました。


でも、中には、

「朝食が大切なのは分かっているけれど、朝は食欲がない」

「食べると胃がもたれてしまう」

「朝から卵や肉、魚なんてとても食べられない」

という方もいらっしゃると思います。


実際、当院でもこのようなお話を聞くことは少なくありません。


そんな方に、いきなり

「朝食をしっかり食べましょう」
「タンパク質をたくさん摂りましょう」

と言っても難しいですよね。



朝食を食べたくても食べられない方は、単に「朝食を食べる習慣がない」だけではなく、胃腸の状態や消化する力にも目を向けることが大切です。

今回は、朝食を食べたくても食べられない方が、どのようなところから始めればよいのかをお話しします。



朝食を食べられないのは「習慣」だけの問題ではありません

朝食を食べない方というと、

「朝ギリギリまで寝ているから」

「食べる習慣がないから」

と思われがちです。


もちろん、それが原因の場合もあります。


しかし、

食べたいのに食べられない
少し食べただけで胃が重くなる
朝になると食欲がなくなる

という場合には、胃腸の働きや消化の状態が関係していることもあります。



特に、

  • 少量でも胃がもたれる
  • 食後にお腹が張る
  • げっぷが多い
  • 肉や魚を食べると胃が重い
  • 空腹感をあまり感じない

という方では、単純に食事量を増やすのではなく、「きちんと消化できているか」という視点も必要です。

食べることと同じくらい「消化すること」も大切です

どれだけ栄養のあるものを食べても、それを消化して利用できなければ、十分に生かすことができません。

特にタンパク質の消化には、胃酸や消化酵素などが関わっています。


胃酸には食べ物を消化しやすい状態にするとともに、タンパク質の消化に必要な酵素が働きやすい環境をつくる役割があります。


そのため、胃の働きが低下している方に、

「低血糖対策にはタンパク質が大切だから」

と、いきなり朝からたくさんの肉や卵を食べてもらっても、かえって胃が重くなり、続けられなくなることがあります。

大切なのは「たくさん食べること」ではなく、「今の自分が消化できる量から始めること」です



まずは「少し食べる」から始めてみましょう

これまで朝食をほとんど食べていなかった方が、翌日からいきなり理想的な朝食を食べる必要はありません。


例えば、

「卵1個は重いけれど、半分なら食べられる」

「固形物はつらいけれど、スープなら入る」

ということであれば、そこから始めて構いません。


最初は少量でも、胃もたれや膨満感などが出ないことを確認しながら、少しずつ量や種類を増やしていきます。

ゼロから100を目指すのではなく、ゼロを10にする。


朝食を食べられない方にとっては、このくらいの気持ちで始める方が続けやすいと思います。



朝に食べやすいタンパク質から試してみましょう

低血糖対策を考えると、朝食には糖質だけでなく、タンパク質も取り入れていきたいところです。


ただし、朝からステーキや焼き魚をしっかり食べる必要はありません。


胃が弱い方は、まず比較的食べやすいものから試してみましょう。

例えば、


豆腐
白身魚
スープに入れた卵や豆腐

などです。


「卵1個」など量を最初から決めるのではなく、自分が無理なく消化できる量から始めることがポイントです。


食べた後に胃が重くならないか、お腹が張らないかなどを見ながら、少しずつ増やしていきましょう。



胃酸の分泌を促す工夫も

以前の「新型栄養失調シリーズ」でもお話ししましたが、食べ物をきちんと消化するためには胃酸も大切です。


食欲がなく、胃の働きが弱っていると感じる方は、

梅干しや酢の物など、酸味のあるものを少量取り入れる

という方法もあります。



酸味による刺激は、食事を受け入れる準備の一つとして利用できます。


ただし、胃の痛みや胸やけなどがある方は、酸味のある食品が合わないこともありますので、無理に取り入れる必要はありません。

「体に良いから食べる」のではなく、自分の胃腸の状態を見ながら取り入れることが大切です。



朝食を甘い物だけで済ませるのは注意

朝は食欲がないけれど、

「果物なら食べられる」

「菓子パンなら食べられる」

「甘いカフェオレなら飲める」

「ジュースなら入る」

という方もいらっしゃると思います。


何も口にしないより食べやすく感じるかもしれませんが、低血糖対策という点では注意が必要です。


空腹の状態で、果糖や砂糖や精製された糖質の多いものを摂ると、血糖値が急激に上がり、その後大きく下がることがあります。


その結果、

午前中に眠くなる
だるくなる
集中できない
甘い物が欲しくなる

といった状態につながることがあります。


朝食をたくさん食べられなくても、「甘い物だけで済ませない」ことは意識してみてください。



「食べられないから食べない」が続くと悪循環になることも

朝は食欲がない

朝食を抜く

午前中にエネルギーが不足する

お腹が空いて甘い物が欲しくなる

糖質を一気に摂る

血糖値が大きく変動する

このような流れが続くと、一日の血糖値も安定しにくくなります。


だからといって、無理に朝からたくさん食べる必要はありません。

「食べられないからゼロ」ではなく、「今食べられるものを少し」

という考え方が大切です。


少量でも朝に食べる習慣をつくり、胃腸の状態を見ながら少しずつ内容を整えていきましょう。



朝に食欲がない方は、朝だけを見ないことも大切です

朝食を食べられない原因を考える時には、朝だけではなく、前日の生活も振り返ってみましょう。


例えば、

夕食の時間が遅い
夜遅くにたくさん食べる
寝る前にお菓子を食べる
お酒を飲み過ぎる

といった習慣があれば、朝になっても胃の中に食べ物が残っているような重さを感じ、食欲が出にくくなることがあります。

朝食だけを頑張って変えようとするのではなく、前日の夕食や生活リズムまで含めて見直すことも大切です。



「健康に良い食事」も消化できなければ負担になります

健康のためには、

「タンパク質を摂りましょう」

「朝食を食べましょう」

という情報をよく目にします。


もちろん、どちらも大切なことです。

しかし、体の状態は一人ひとり違います。


胃が弱っている方にとっては、一般的に「健康に良い」とされる食事でも、量が多過ぎれば負担になることがあります。


これは、整体でも同じだと考えています。

強い刺激を加えれば体が早く良くなるわけではないように、食事もたくさん摂ればよいというものではありません。


今の体が受け入れられるところから始めて、少しずつ健康な状態に近づけていく。

さわやか整体院では、食事についてもこのような考え方を大切にしています。



朝食を食べられない方は、こんなところから始めてみましょう

朝食を食べたくても食べられない方は、

① いきなり理想的な朝食を目指さない

② 今食べられる量から始める

③ 卵・豆腐・白身魚・スープなど、食べやすいものを試してみる

④ タンパク質も少量から始め、消化状態を見ながら増やす

⑤ 甘い物だけの朝食にしない

⑥ 胃もたれやお腹の張りなど、自分の体の反応を見る

⑦ 前日の夕食や生活習慣も振り返る

このようなところから始めてみてください。


朝食は、一日の血糖値を安定させるための大切なスタートです。

でも、朝食を食べられない方に必要なのは、無理をして食べることではありません。

「食べられる体の状態をつくりながら、少しずつ朝食を整えていく」

ことが大切です。




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