腸のために減らすことも大切?小麦・乳製品との付き合い方

健康のために

「発酵食品を食べよう」
「食物繊維を摂ろう」
「腸に良いものを増やそう」

と考える方は多いと思います。



もちろん腸に必要な栄養を摂ることは大切です。

しかし腸内環境を整える時には「何を足すか」だけではなく「何が負担になっているのか」を考えることも大切です。


食事の中でも人によっては小麦や乳製品を摂る量を減らすことで、胃腸の調子だけでなくさまざまな体調に変化がみられることがあります。

「小麦は体に悪い」

「乳製品は全員やめた方がいい」

という単純な話ではありません。


大切なのは自分の体に合っているかどうかです。


今回は小麦や乳製品がなぜ腸の負担になることがあるのか、そして実際にどのように付き合っていけばよいのかをお話しします。



小麦で問題になるのは「グルテン」だけではありません

小麦の話になるとよく耳にするのがグルテンです。

グルテンは小麦などに含まれるタンパク質です。


パンやうどん、パスタなどの弾力やもちもちとした食感を作る働きがあります。


小麦製品を食べると

  • お腹が張る
  • 腹痛が起こる
  • 下痢や便秘になる
  • 胃腸の調子が悪くなる

と感じる方もいます。


さらに、体質によってはグルテンに対して免疫反応が起こるセリアック病や、小麦アレルギーなどがあります。



小麦を食べることで調子を崩す方もいますので

「グルテンが原因なのでは?」

と考えてグルテンフリーを試す方も増えています。


ただ小麦にはグルテン以外にも、腸の状態によっては負担になりやすい成分が含まれています。



小麦に含まれる「フルクタン」とは?

フルクタンは**FODMAP(フォドマップ)**と呼ばれる、腸内で発酵しやすい糖質の一つです。


人によっては小腸で十分に吸収されず、大腸に届いて腸内細菌によって発酵することでガスが増えたり、お腹が張ったりすることがあります。


つまり小麦製品を減らして体調が良くなった場合、グルテンだけが関係しているとは限りません。フルクタンを減らしたことが影響している可能性もあります。



ここで大切なのは

「グルテンとフルクタンのどちらが原因なのか?」

を自分で突き止めることではありません。


まずは普段よく食べているパンや麺類などの小麦製品を減らしてみて、自分の体がどう変わるのかを見てみることです。


FODMAPについては今後の記事でSIBO(小腸内細菌異常増殖症)とともに、もう少し詳しく取り上げていきます。



乳製品も「乳糖」と「カゼイン」を分けて考えます

乳製品についても

「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」

という方は少なくありません。


この場合にまず考えられるのが**乳糖(ラクトース)**です。


乳糖を消化するためにはラクターゼという消化酵素が必要なのですが

この酵素の働きが少ないと乳糖を十分に分解できず

  • お腹が張る
  • ガスが増える
  • 腹痛
  • 下痢

などが起こることがあります。


これが「乳糖不耐症」です。



そして乳製品にはもう一つ考えておきたい成分があります。

それがカゼインです。


カゼインは乳製品に含まれるタンパク質

カゼインは牛乳に含まれる主要なタンパク質の一つです。


乳糖とカゼインはまったく別のものなので

「乳製品が合わない」

と感じる場合にも、その理由を一つに決めつけないことが大切です。



例えばヨーグルトにも乳糖とカゼインの両方が含まれています。

ただヨーグルトは発酵によって乳糖の一部が分解されているため、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする方でもヨーグルトなら問題なく食べられることがあります。


一方でカゼインなどの乳タンパクは含まれているため、乳タンパクに対するアレルギーなどがある場合はヨーグルトでも症状が出ることがあります。


つまり

乳タンパクのアレルギーがある方
↓
牛乳もヨーグルトも合わない可能性あり


乳タンパクのアレルギーはなく、乳糖不耐症の方
↓
牛乳が合わない可能性あり


ちなみに
日本人は成人になると乳糖を分解するラクターゼの働きが弱くなる人が多く、乳糖を十分に消化・吸収しにくい人は7〜9割程度ともいわれています。


このように乳糖の消化が問題になっている人もいれば、乳タンパクに対するアレルギーなど別の理由で乳製品が合わない人もいます。


そのため乳製品を摂った後に調子が悪くなる方は、どの食品をどのくらい食べた時にどのような変化が起こるのかを見ていくことも大切です。


「体に良い食品」が全員に合うとは限りません

ヨーグルトは腸に良い。

牛乳はカルシウムが摂れる。

全粒粉のパンは食物繊維が豊富。

このようにそれぞれの食品には良い面があります。


しかし栄養価が高いことと、その人の胃腸が問題なく消化・吸収できることは別の話です。



腸内環境や消化力は一人ひとり違います。

同じ食品を食べてもまったく問題のない人もいれば、お腹が張ったり便通が乱れたりする人もいます。


だからこそ

「体に良いと言われているから食べる」

だけではなく

「自分の体は食べた後にどう反応しているか」

にも目を向けてみてください。


小麦や乳製品を減らして体の変化を見てみる

パン、うどん、ラーメン、パスタ、お菓子などの小麦製品や牛乳、ヨーグルトなどの乳製品を日常的によく摂っている方は、一度その量や回数を減らしてみるのも一つの方法です。


その結果

  • お腹の張りが減った
  • 便通が良くなった
  • 胃が軽くなった
  • 疲れにくくなった
  • 頭痛や肩こりなどいつもの不調にも変化があった

という場合には、普段摂っていた小麦や乳製品が自分の体に何らかの負担になっていた可能性があります。



実際に当院でも小麦や乳製品を一定期間減らしてみたところ、

胃腸の不調だけでなく頭痛や肩こり、疲労感などさまざまな症状が以前より楽になったというお話を患者さんから聞くことがよくあります。


もちろんそれだけで小麦や乳製品が症状の原因だったと断定することはできません。


それでも食生活を変えた時に自分の体調がどう変化するのかを見ることは、自分に合った食べ方を知る一つの手がかりになります。


「一生食べない」と考えなくても大丈夫です

小麦や乳製品を減らすという話をすると

「もうパンを食べてはいけないの?」
「一生乳製品をやめないといけないの?」

と思われるかもしれません。


でも最初からそこまで考える必要はありません。

完全にやめることを目的にする必要もありません。



特に

「原因は分からないけれどなんとなく胃腸の調子が良くない」

「いろいろ健康に気をつけているのになかなか体調が良くならない」

という方は

「自分に合うかどうか一度試してみよう」

くらいに考えて、小麦や乳製品を一定期間減らし体調の変化を観察してみるのもよいと思います。


減らしてみても何も変わらなければ、それも一つの情報です。



反対に体調が明らかに良くなるのであれば、元の食生活にそのまま戻すのではなく、自分が調子よく過ごせる量や頻度を探していくという付き合い方もできます。



食事は毎日の楽しみでもあります。

だからこそ「食べてはいけないもの」を増やすのではなく、自分の体の反応を知り自分に合った食べ方を見つけることを大切にしてほしいと思います。


腸を整えるには「足し算」と「引き算」の両方が大切

腸内環境というと

「何を食べれば腸に良いですか?」

という「足し算」に目が向きやすいものです。


しかし胃腸が負担を抱えている状態では、良いものを次々に足していくだけではうまくいかないこともあります。


腸に必要なものを摂ること。

そして同時に

今の自分の胃腸に負担になっているものがないかを見直すこと。

この両方が大切です。



当院でも体のバランスを整えるだけでなく、必要に応じて胃腸をはじめとした内臓への施術や自律神経の働きを整える施術を行っています。


胃腸の状態はお腹だけの問題ではなく、頭痛や肩こり、首・腰の不調などさまざまな体調と関係していると考えているためです。


食事だけ、施術だけと一つに絞るのではなく、食事・睡眠・ストレス・体の状態などを含めて全体を見ていくことが大切です。


まとめ

腸内環境を整えるためには発酵食品や食物繊維などを摂る「足し算」だけでなく、

自分の胃腸に負担となっているものを見直す「引き算」も大切です。



小麦にはグルテンだけでなくフルクタンが含まれ、乳製品についても乳糖やカゼインなどいくつかの要素があります。

ただ最初からそのどれが自分に合わないのかを突き止める必要はありません。



普段から小麦や乳製品をよく摂っていて胃腸や体の不調が続いているのであれば、まず一定期間減らして自分の体がどう変わるのかを見てみる。

それも自分の体を知る一つの方法です。


一生食べないと決める必要もありません。 大切なのは食品を一律に良い・悪いと決めつけることではなく、自分の体の反応を見ながら自分に合った量や頻度を見つけていくことです。



次に読みたい健康コラム


今回は、腸内環境を整えるためには、良いものを摂るだけでなく、自分の胃腸に負担となっているものを「減らしてみる」という考え方も大切だとお話ししました。

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執筆・監修

さわやか整体院 院長 加藤敏之

日々、慢性的な肩こり・腰痛・頭痛・自律神経の乱れなどでお悩みの方の施術にあたっています。

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